
街路樹にも利用されるミモザ(ギンヨウアカシア)
ミモザ(ギンヨウアカシア、フサアカシア)は、
3~4月に、黄色いふわふわとした花をつけることで有名です。
もともと、ミモザというのはオジギソウの学名ですが、
日本では、ミモザと言えば、葉がシルバーグリーンの、
ギンヨウアカシアやフサアカシアを指すのが一般的です。
本来は5メートルを超える大きな木ですが、矮性種などもあります。

こちらが学名のミモザ=オジギソウです
■ミモザ 鉢植えの育て方
・栽培環境
日当たりの良い場所で育てるようにします。
また、強風に吹かれて枝が折れたり倒れることがあるので、
あまり強い風の当たらない場所を選びましょう。
・植え付け
植え付けの適期は4月~5月です。
「ミモザ 苗」でネット通販を探すと販売されています。
苗を植え付ける鉢は8号以上の物を選ぶようにします。
倒れにくいように、安定性の良い鉢にすると安心です。
あまり置き場所を動かす予定がないのであれば、
テラコッタ製の重い鉢などがお勧めです。
鉢の底が隠れる程度に鉢底石を敷いておきます。
使う用土は、排水がよければ市販の培養土でも大丈夫です。
配合する場合は、赤玉土と腐葉土を2:1の割合でよく混ぜて使います。
植え付け後は、鉢の底から水が滲むくらいまで、たっぷりと水やりします。
・支柱
小さい苗は、幹も根も細くとても頼りない状態です。
根が浅いので強風に吹かれると根ごと倒れることもあります。
植え付けた後に支柱を立てて、
そこに幹を誘引しておくと転倒を防ぐことができます。

葉の形がオジギソウに似ています(ギンヨウアカシア)
・植え替え
ミモザはどちらかと言えば移植が苦手な植物です。
鉢で育てていると根詰まりを起こしますので、
ていねいに植え替えてあげましょう。
鉢底から根が見えてきたら、植え替えのサインです。
植え替えの適期は、植え付けと同じ4月~5月です。
古い鉢より、一回りか二回り大きい鉢を用意します。
鉢底石を入れてから、新しい用土を使って植え替えを行います。
植え替えを行う際は、根鉢をくずさず、
そのまま新しい鉢に植え付けるようにします。
・水やり
土の表面が乾いたら、
鉢底から水が出てくるまでたっぷりと与えます。
乾燥には強い植物ですが、夏は気温が高く土が乾きやすいので、
土の表面が乾いていたら必ず与えるようにします。
逆に冬は土が乾きにくく、水の吸い上げも弱いので、
土の表面が乾いて2日~3日くらい経ってから与えるようにします。
土が湿った状態が続くと、根が傷んで根腐れして、
最悪の場合は、枯れてしまうこともあるので注意します。
・肥料
ミモザはマメ科特有の根瘤菌をもっています。
根瘤菌(こんりゅうきん)を持っているマメ科の植物は、
生長に必要な窒素分を自分で作ることができるので、
肥料をほとんど必要としません。
むしろ、肥料をたくさん与えて生長を促すと、
ひょろひょろと樹高が高くなって倒れたり、
幹が折れやすくなったりします。
1月~2月、3月~4月、9月に、
緩効性の固形肥料を控えめに与えると良いでしょう。

花芽を切らないように剪定すると、よく開花します
◎剪定
ミモザは枝葉を放任したまま育てると、樹形が乱れやすい木です。
そのため、株が若い頃に樹形作りをすることが大切です。
・1年目
植え付けをした後に、幹から出ている枝を、
10cm~20cmほど残して切り詰めます。
・2年目
前年に切り詰めた枝から新たに枝が生えているはずですので、
それも同じように切り詰めてあげます。
・3年目
混みあっている部分などは、間引き剪定をして枝数を減らしておきます。
長くなりすぎた枝、地面につきそうな枝や、
建物に当たったりする枝は短く切り詰めます。
・4年目以降
3年目と同じように間引き剪定と、
長い枝を短く切り詰める作業を繰り返します。
ミモザは生長の早い木ですので、背を高くしたくない場合は、
気に入った高さまで伸びたら、その高さで幹の先端を切ってしまいます。
こうすることで、それ以上幹が高くならず、低く抑えることができます。
ミモザの花は夏頃に翌年の花芽を形成するので、
7月までには、必ず枝の剪定を終わらせておくようにします。
また、長く伸びた枝をそのまま放置してしまうと、
台風の強風で折れたり、倒れたりしやすくなります。
7月までの剪定が重要な作業ですので、毎年忘れずに行います。

3~4月、ぽんぽんした花が咲くミモザ(フサアカシア)
・増やし方
種で増やすことができます。
花が終わった後、マメ科らしい鞘をつけます。
しっかり熟して茶色くなっているものを収穫します。
鞘から種を取り出し、種皮に傷をつけます。
ミモザの種の皮は固いので、傷をつけるか、ぬるま湯につけて、
皮を柔らかくして発芽率を高めるようにします。
9月~10月頃に種をまきます。
4号鉢に小粒の赤玉土を入れて、
ミモザの種を置いて1cmほど覆土します。
水を与えて土を湿らせます。
発芽して本葉が出てくるまでは、
あまり乾かないように管理しましょう。

野山で育つミモザ
■病害虫
病害虫には強いですが、
たまに葉を食害する虫がつくことがありますので、
見つけ次第捕殺するようにします。